過去の取引の詳細をすべて把握していれば、それをもとにして過払いの引き直し計算ができます。しかし、多くの人は過去の取引に関する書類をすべて残してはいないようです。この場合には、過払いが発生しているのかどうかをどうやって計算すればよいのでしょうか。これについては貸金業者側が取引履歴を開示しなければならないことになっています。
開示請求をすれば過去の全取引についての情報を提供してくれます。貸金業者がそれを渋ったらどうなるのでしょうか。貸金業者としては返還請求に応じたくないというのが本音でしょうから、開示することを渋る可能性があります。過去には確かに開示しない業者もあったそうです。
しかし、2005年に最高裁判所の判例で、貸金業者には取引履歴を開示する義務があると認められました。ですから、現在では開示請求を行うことによって、貸金業者は取引履歴に関する情報を公開してくれます。普通の貸金業者ならあっさりと提供してくれるでしょう。ですから、過去の取引について詳しいことはわからないという人であっても、過払いが発生していれば返還請求ができる可能性は高いです。
書類をすべてなくしたからといってあきらめるのは良くありません。ただ、過去の取引に関連する書類があるのなら、それを用意しておいたほうが手続きがスムーズにいくケースもあります。弁護士や司法書士に相談をする時には、できるだけ多くの書類を用意するようにするのが良いと考えられます。